うぶ婚～一途な副社長からの溺愛がとまりません～
後味が悪いから？　一方的に言って逃げるように去ったから？　それとも副社長が私と同じ、恋愛未経験者かもしれないから……？

理由を挙げたらキリがない。でもひとつだけ言えることは、私は今、ものすごくモヤモヤしているということ。

このままでは仕事にも支障をきたしそうで怖い。自分がすっきりして、気持ちよく業務に当たりたい。

社員として副社長には幸せな結婚をなさってほしい。

その想いにたどり着き、私はパソコンを起動させた。



数日後。

「社長、勝手ながら副社長に見合う女性を再度リストアップさせていただきました」

珈琲を頼まれ、一緒に社長に提出したのは副社長のお嫁さん候補。

このモヤモヤを消すには、副社長に幸せな結婚をしてもらうしかないと思った。

そうすれば今のように副社長のことばかり考えることもなくなると思うから。

しかし社長は珈琲カップを手にしたままびっくりし、私とリストを交互に見てきた。
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