うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
それなのに『結婚したいと思っている』だなんて……信じられる? なにかのドッキリではないだろうか。

けれど私を見つめる副社長の瞳は真剣そのもので、とてもじゃないけれど冗談を言っているようには見えない。

ドクン、ドクンと胸が早鐘を打ち始める中、彼は熱い眼差しを向けてきた。

「父さんに色々と聞いたよ、キミのことを。それでますます結婚したい気持ちが強くなった。……俺と結婚してほしい」

真っ直ぐで熱い突然のプロポーズに胸がときめいてしまったものの、すぐに我に返り慌てて口を開いた。

「待って下さい副社長。……副社長はただ、これまで私のように意見する女性と出会っていなかったから、好きだと勘違いされているのではないでしょうか?」

話を聞いていると、副社長はまだ私への想いが好きってものなのか、わからないんだよね? それなのに結婚を申し込むなんておかしい。

単に自分に意見した私が物珍しくて、新鮮な気持ちになっているだけで、決して彼は私を好きではないはず。
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