うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「それも結婚したいと思った理由のひとつなんだ」

「えっ?」

意外な言葉に声を上げる。すると副社長は照れ臭そうに話し出した。

「知っての通り、我が家は父一人子一人だ。……だから昔から大家族に憧れていた。キミと結婚すれば、大家族の一員になれるだろ?」

「それは……そう、ですが」

予想外の発想をする副社長に戸惑いを隠せない。

「キミは家族を大切にしていると父さんから聞いている。それを聞いて不思議とキミとの未来を想像してしまったんだ。……大家族の一員になって、幸せに暮らしている自分の姿を。こんな想像をしていては、もうキミに恋していると言わざるを得ないだろ?」

ハニカミながら、らしくないことを言う副社長に私は終始驚きっぱなし。

思わず感じたことをそのまま口にした。

「副社長でも照れたりハニかんだり、『恋している』だなんてことを言ったりするんですね」

普段の副社長からは想像さえもできない。……ううん、私だけじゃない。誰だって副社長がこんなことを言うなんて思わないはず。
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