うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「あの、副社長……。私の話をしっかりご理解なさってくださったのでしょうか?」

相手が副社長とわかりつつも、声に棘を生やして言うと副社長は「もちろん」と言うように頷いた。

「だから交際を申し込んでいるんだろ? それにお互いのことを知るには、一緒に過ごす時間を増やすのが効率的だ。こうしてプライベートで会わなければ、知ることもできないんじゃないか?」

普段の会議の際、重役たちを黙らせるかの如く畳み掛けてくる副社長に、私はタジタジ。

「こうして仕事終わりに食事したり、休日出掛けたりしよう。そうすればキミのことをもっと知れるし、俺のことも知ってもらうことができる」

「それはそうですけど……」

強引な物言いに言葉を詰まらせる。

「じゃあ決定。……今日からキミは俺の彼女」

ふわりと笑って彼女宣言する副社長に、ドキッとしてしまう。

え、やだドキッとなによ、ドキッて! こんなの、間違っているから。

キッと表情を引きしめ、副社長と向き合う。
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