うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「わかってくれていないじゃないか! 井上くんはなんて冷たいんだ……! 私は父親として心配でたまらないんだぞ? 廉二郎ももう三十歳になるというのに、浮いた話をひとつも聞かない。私だっていつまでも元気ではいられないんだ。早く後継ぎを見せてもらい、安心させてほしいというのに……」
嘆く社長に私は再び深いため息を漏らす。
こういうことは日常茶飯事だった。
社長は副社長のこととなると、まったく仕事が手につかなくなる。解決策はひとつだけ。
「わかりました社長。私の方で副社長と釣り合うような女性を探してみます」
ため息混じりに言うと社長は「本当か?」とパッと明るくなる。
「関連会社や提携先を中心に副社長に見合った女性がいないか、早急にお探しいたしますので、サインをお願いいたします」
「もちろん! あぁ、私は井上くんのような優秀な秘書を持って幸せだよ」
さっきはなんて冷たいんだと言っていたくせに、本当に現金なお方だと心の中で悪態をつきながらも、社長が上機嫌でサインをした承諾書を手に早々と社長室を後にした。
嘆く社長に私は再び深いため息を漏らす。
こういうことは日常茶飯事だった。
社長は副社長のこととなると、まったく仕事が手につかなくなる。解決策はひとつだけ。
「わかりました社長。私の方で副社長と釣り合うような女性を探してみます」
ため息混じりに言うと社長は「本当か?」とパッと明るくなる。
「関連会社や提携先を中心に副社長に見合った女性がいないか、早急にお探しいたしますので、サインをお願いいたします」
「もちろん! あぁ、私は井上くんのような優秀な秘書を持って幸せだよ」
さっきはなんて冷たいんだと言っていたくせに、本当に現金なお方だと心の中で悪態をつきながらも、社長が上機嫌でサインをした承諾書を手に早々と社長室を後にした。