うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「キミのこと、帰したくない。……もっと一緒にいたい」

「えっ」

思いがけない言葉に目を丸くさせてしまう。

瞬きすることも忘れ副社長を凝視すると、熱い瞳が向けられる。

「キミのことをもっと知りたいし、欲を言えばこうして触れていたい」

「な、に言って……! 副社長、少々暴走し過ぎてはないでしょうか?」

口ではそんなことを言いながら、心臓は壊れそうなほどバクバクいっている。

その間も副社長はジリジリと距離を縮めてきた。

「自分でも暴走していると思うよ。……だが、これが誰かを好きになるって感情じゃないか? 気持ちを抑えられないものなんだろう?」

そう言われても、わからない私は返答に困る。何度も言いたくなるけれど、副社長すみません。私もまったくわからないのです。

整った彼の顔が間近に迫ってきて、背中をのけ反らせ、ドアに寄りかかる。

それでも彼は真っ直ぐ私を見つめたまま。

「どうなんだ? 教えてくれ。……日葵」

掠れた声で初めて名前呼びされ、身体はゾクリと震える。
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