うぶ婚～一途な副社長からの溺愛がとまりません～

「日葵お姉ちゃんの恋人なの？」

「違うよ、家に来たってことは結婚相手でしょ？」

「じゃあ未来のお兄ちゃんだ！」

話の内容に心臓が止まりそうになる。どうやらお母さんの声に寝ていた小さい兄妹たちも起きてきたようで、次々と副社長に不躾な質問をしている。

あの子たちったら無邪気にとんでもないことを聞いてくれている！

急いで階段を駆け下りリビングへ入ると、副社長はソファに腰を下ろしていて、その周囲を兄弟たちに取り囲まれ、固まっていた。

会社ではみんなが恐れる副社長も、無邪気な兄弟たちを前にしてはタジタジのようだ。

慌てて兄弟たちを止めに入った。

「ちょっとみんな違うから！　この方はお姉ちゃんが勤めている会社の副社長なのよ。失礼なこと言わないで」

悪いことをした時に叱るように厳しい口調で言ったものの、兄弟たちは私の話を聞き、目をキラキラと輝かせた。

「すっげー！　じゃあ日葵姉ちゃん、玉の輿じゃん！」

「一生養ってもらえるね！」

「いいなー、日葵姉ちゃんお姫様になれるんだね！」