うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
『正しい初デートのススメ』
井上日葵、二十八歳にして初めて“恋人”という特別な存在ができました。
月曜日の朝。昨日買っておいた花を花瓶に生け、社長室に飾る。そして社長のデスク周りの掃除に取りかかった。
副社長との交際がはじまって二週間。初日は初めての恋人で、おまけに相手は我が社の副社長ということもあり、どういう顔をして出社すればいいのやら……と気に揉んでいた。
副社長から社長に交際していることを伝えたと聞いていたし、さぞかし社長からからかわれるのだろうと思っていたんだけど……。
「おはよう、井上くん。今日も早いね」
「おはようございます、社長」
片手を上げてにこやかに出勤してきた社長に、掃除する手を止めて丁寧に一礼する。
「悪いが珈琲を頼めるか? それと私宛に届いたメールを見せてくれ。あぁ、それと経済新聞も頼む」
「はい、かしこまりました」
社長室を後にして秘書課のオフィスへ戻り、社長に頼まれた珈琲を淹れるものの……誰もいない給湯室内で首を捻る。
月曜日の朝。昨日買っておいた花を花瓶に生け、社長室に飾る。そして社長のデスク周りの掃除に取りかかった。
副社長との交際がはじまって二週間。初日は初めての恋人で、おまけに相手は我が社の副社長ということもあり、どういう顔をして出社すればいいのやら……と気に揉んでいた。
副社長から社長に交際していることを伝えたと聞いていたし、さぞかし社長からからかわれるのだろうと思っていたんだけど……。
「おはよう、井上くん。今日も早いね」
「おはようございます、社長」
片手を上げてにこやかに出勤してきた社長に、掃除する手を止めて丁寧に一礼する。
「悪いが珈琲を頼めるか? それと私宛に届いたメールを見せてくれ。あぁ、それと経済新聞も頼む」
「はい、かしこまりました」
社長室を後にして秘書課のオフィスへ戻り、社長に頼まれた珈琲を淹れるものの……誰もいない給湯室内で首を捻る。