うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
彼の仕事のことなんて、なにひとつ知らないし「大変ですね」なんて軽はずみなことは言えない。大変なのは当たり前だもの。

恋愛するってなんだろう。どうやったら彼と恋愛することができるのかな。

付き合いはじめてもその答えは、やはりわからないままだった。


そんなある日の金曜日。この日の昼食は下請け会社の社長たちとの食事会だった。

今後も極力していくことを確認し、和やかな雰囲気のまま終了。

そして帰りの車内、助手席からミラー越しに見える社長は、なぜか窓の外をキョロキョロ見ていた。

「社長、どうかされましたか?」

「いや、ちょっとね……」

不思議に思い尋ねると副社長は言葉を濁す。けれどまたすぐに窓の外を見始める。

そして次の瞬間、社長は急に運転手に「車を停めてくれ」と言い出した。

「は、はい」

すぐに運転手は駐車できそうな路肩に車を停車させると、社長は車から降りてしまった。

「社長?」
< 82 / 330 >

この作品をシェア

pagetop