うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
社長が円滑に業務に当たれるようにサポートするのが私の仕事。私は自分の職務を全うしているだけ。なにも社長にプレゼントされるようなことはしていない。

すると社長は「うーん……」と唸った後、私の様子を窺いながら話し出した。

「廉二郎に口止めされていたから、ずっと我慢していたが……。聞いたよ、息子と交際しているようだね。私は正直、ずっと待っていたんだよ? 将来娘になるキミから廉二郎と交際していると報告が聞けるのを」

やっぱり社長は知っていたんだ。それに報告を受けるのを待っていたなんて。

副社長から話が言っているなら、私も同じ報告をわざわざしなくてもいいと思っていたけれど、それは間違いだったようだ。

「それはっ……失礼いたしました。副社長からお話がいっていると聞いており、また仕事中にプライベートなことをお話するものではないと判断いたしまして……」

謝罪しながら理由を述べると、社長は深いため息を漏らした。

「なにを言っているんだ、キミと私の仲だろう。水臭いじゃないか、家族になるというのに」
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