僕はキミの心臓になりたい
高校生になってから全然学校に行けてないので
勉強に遅れが出ないようにと
彼なりの気遣いだった。
「いいんだって。
それに美羽に教えることで俺もテスト勉強になってるから
一石二鳥なんだよ」
羽賀くんが得意げにそう言ったのを見て
私も思わず笑った。
彼のポジティブに、いつも笑わされてばかりだ。
1時間程、羽賀くんから勉強を教えてもらうと
時刻はあっという間に夕方の5時をまわった。
「じゃあ、俺そろそろ帰るな」
「うん。今日もありがとね」
羽賀くんはパイプ椅子から立ち上がり
肩から通学カバンをさげた。
そして何かを思い出したように
彼は私を見た。