僕はキミの心臓になりたい



ご飯を食べ終えて、私たちはすぐに

食べ歩きで有名の小町通りに向かった。



「わあ〜すごい!」



たくさんの商店が立ち並んだ

賑やかな通りを見て声が上がった。



好奇心に引かれるように

お店の看板や軒先に並ぶ商品に目が泳いでいく。


その中でも、いっそう興味が湧いたお店があった。



「あっあれ可愛い」



ショーウィンドウに綺麗なかんざしが

並べられているのを見つけて

駆け寄った。



丸いガラスの中に

小さい小花が入ってるものや

富士山が入ってるものがあって

とても色鮮やかで綺麗だった。



「こういうの好きだなぁ〜可愛い!」


「すげ〜富士山が中に入ってる」


羽賀くんが富士山のかんざしを手に取った。


「綺麗だな」


「うっうん……」



気がつくと、すぐ隣に羽賀くんがいて

意識がそっちに向いてしまった。



体温まで感じられそうなほど

距離が近くて、かんざしに集中できない。



鳴り止まない心臓の音が聞こえないか心配になる。



「あっ!やっぱ美羽にはこれが似合いそう」



そう言って、羽賀くんは

富士山の隣にあったピンク色の小花が

入ったかんざしを手にした。



「こないだ着てたピンクの浴衣に似合いそうじゃん」


「あー確かに。かんざしは和装に合うからね」


「いいよな〜こーゆうの。和風って感じで」


「ね!鎌倉っぽいよね」



私がいいって言ったものに

羽賀くんもいいって言ってくれたのがすごく嬉しかった。



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