僕はキミの心臓になりたい



思ったよりも回転が早く、すぐに私たちの番がきた。


私は梅味のお団子を買い

羽賀くんは練りゴマがかかったお団子を買った。


「見て!桜の形した梅がのってるよ。可愛い〜」


「おっ本当だ!あっちょっと待って!」



羽賀くんはポケットからスマホを取り出して

少しの間操作した後

私たちの顔の前にスマホを向けた。



「写真撮ろーぜ!」



羽賀くんがお団子を食べる

仕草のポーズをしていたので

私もつられて同じポーズをとる。



撮れた写真を見せてもらうと

そこには楽しそうな笑顔で笑う羽賀くんと

むっちりとした顔で笑う私の姿。



「嫌だ〜私の顔パンパン!」


「いーじゃん。映えってるよ」



羽賀くんは写真を見ながら

SNSアプリから流行りだした語を口にした。



「私、インスタやってないから映えってよくわかんない」


「あ、本当?実は俺もやってないから適当に使ってた」



本当適当男……!!!


うははっと、笑う彼に対して

私は心の中で鋭いツッコミを入れた。



でも、羽賀くんのこの何も

考えてなさそうな軽い感じが良くて

一緒にいて楽しくなるんだよね。



肝心のお団子の味はというと

ほんのりすっぱい梅と

白玉の甘さがうまく組み合わさって

とても美味しかった。




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