僕はキミの心臓になりたい
神社を出て、10分くらい歩き続けると目の前に海が見えた。
私たちは自然と海の方面へ向かい
海岸沿いに着くと堤防に座った。
波の音に耳を傾けながら
海風が髪を波がせてゆく感じが心地いい。
太陽の光が、水面にキラキラと反射して綺麗だった。
「海好きなの?」
「うん、好き。美羽も海好き?」
「私は海より湖が好きだな」
「湖?」
「本当に綺麗な湖は
周りの山と水面に映る空の景色が
すごく神秘的で自然のエネルギーを
たくさん感じることができるんだって」
私はいつか、テレビで見た幻想的な湖の特徴を話した。
羽賀くんは何度かうなづいた後、私に聞いた。
「今一番行きたい湖ってどこなの?」
「摩周湖かな……」
「摩周湖?」
私はスマホで摩周湖と検索して
摩周湖の画像を羽賀くんに見せた。
「北海道の神秘な湖なんだって」
「綺麗なところだな……」
「いつか行ってみたいな」
「いつか行こうよ」
羽賀くんの応えに、私は興奮したように声が上がった。
「本当に!?」
「俺も見てみたいし。約束な」
「うん!」
いつ叶えられるかわからない約束だけど
羽賀くんから行こうって言ってくれたことが
すごく嬉しかった。
羽賀くんとなら、本当に行けるかもしれないと
希望が持てるよ。