僕はキミの心臓になりたい
いつのまにか夕陽が沈みかけていた。
「羽賀くんて、もしかして結構前から私の事知ってたの?」
かなり勇気のいる質問。
けど、自分が今思ってることを整理したかった。
「本当のこと言うと、かなり前から美羽の事知ってた」
言葉が出てこない。
「てゆうか、ずっと見てた」
どうして私の事を……?
「いつから?」
「ロビーで初めて話す前から」
「なんか曖昧!」
それだったら、高校に入学してから私の事知ったことになる。
羽賀くんは曖昧な答えにしたまま
苦笑いをして水面を見つめた。
彼なりにまだ言いたくないのだろう。
今後、言ってくれるかもわからないけど
私はそれ以上追求しなかった。
彼を困らせるようなことはしたくない。