僕はキミの心臓になりたい



「そっかぁ〜じゃあまた次の機会な」


「あっあとね」


「ん?」


「夏美ちゃんが放課後、大事な話あるから体育館裏に来てって言ってたよ」


「大事な話?わかった。ありがとな」



去っていく羽賀くんの背中を見つめながら後悔した。


ああ、これで夏美ちゃんが羽賀くんに

告白することが決まってしまった。


私は机に顔を伏せて、視界を遮った。



嫌だよ……


2人が恋人同士になるなんて嫌だ。



そしたらもう、羽賀くんは夏美ちゃん優先になるから

羽賀くんと休日に会うことは無くなるんだ。


さっきみたいに、放課後誘ってくれることも無くなるんだ。


届くのを楽しみにしてた

羽賀くんからLINEもこなくなるんだ。


全部、その相手は夏美ちゃんになるんだよね。


そんなの嫌だよ……



涙が出そうになるのを常に堪えていた。


全ての授業が終わると、私は逃げるように家に帰った。


< 122 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop