僕はキミの心臓になりたい
「そっかぁ〜じゃあまた次の機会な」
「あっあとね」
「ん?」
「夏美ちゃんが放課後、大事な話あるから体育館裏に来てって言ってたよ」
「大事な話?わかった。ありがとな」
去っていく羽賀くんの背中を見つめながら後悔した。
ああ、これで夏美ちゃんが羽賀くんに
告白することが決まってしまった。
私は机に顔を伏せて、視界を遮った。
嫌だよ……
2人が恋人同士になるなんて嫌だ。
そしたらもう、羽賀くんは夏美ちゃん優先になるから
羽賀くんと休日に会うことは無くなるんだ。
さっきみたいに、放課後誘ってくれることも無くなるんだ。
届くのを楽しみにしてた
羽賀くんからLINEもこなくなるんだ。
全部、その相手は夏美ちゃんになるんだよね。
そんなの嫌だよ……
涙が出そうになるのを常に堪えていた。
全ての授業が終わると、私は逃げるように家に帰った。