僕はキミの心臓になりたい



授業が終わると、夏美ちゃんは

カバンを持ってさっさと帰ってしまった。



私は夏美ちゃんに避けられてる理由を必死に考えてる。


もしかして、昨日の告白ダメだったのかな……


でも、もしそうだとしても

私が避けられる理由がわからない。



夏美ちゃんに気に触るようなこと

言っちゃったのかもしれない。



このまま、夏美ちゃんと話せなくなるのは

嫌だったので教室を飛び出して

夏美ちゃんを追いかけた。



せっかくできた友達を、ここで失いたくない。


そして、下駄箱のところで夏美ちゃんに追いついた。



「夏美ちゃん!」



声をかけても、夏美ちゃんは

まるで聞こえてないかのように歩いて行ってしまう。


ここで、挫けてはいけない。



「夏美ちゃんっ待って!」



夏美ちゃんの前へ回り込むと

夏美ちゃんはようやく立ち止まってくれた。



「どうして避けるの?私、何か悪い事しちゃった……?」



随分単刀直入だった気がしたが

今は遠回しに聞けるほど余裕なかった。


すると、夏美ちゃんは小さくため息をついた。



「今は美羽と話したくないの」


「どっどうして?」



夏美ちゃんが再び黙り込んだので

私は自分の想いを伝えようとした。



「夏美ちゃんは私の大切な友達だから

ちゃんと理由が知りたいの。

お願い、話……」

 

「友達友達って、本当うざいから。そーゆうの」



夏美ちゃんの目つきが急に変わった。


いつもの天使のような笑顔はどこにもない。



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