僕はキミの心臓になりたい
ー「友達と思ったことなんか一度もないから」ー
涙がポロポロ溢れ出す。
いつも声かけてくれたのは全部自分のため。
私に向けてくれた笑顔も嘘だったんだ。
私だけ、夏美ちゃんのこと友達だと思ってたんだ……
徐々に動悸が激しくなる。
すぐ近くで心臓の音が聞こえてくる。
心臓が痛い……苦しい……
「はあ……はあ……」
私は胸を押さえながら
机の横にかけてあるカバンから携帯用の薬を探した。
だが、いつも入れているカバンのポケットに薬はなかった。
あっあれ……?
ここに入れたはずなのに……
急いでカバンの中を弄り
床にカバンの中身を出して必死に探すも見つからない。
どうして!?どこにいったの……!?
机の中やロッカーも見てみても
どこにもなく、胸の痛みがさらに増していく。
薬を探すことを諦め、胸を押さえながら
廊下に出て助けを呼ぼうとした。
だっ誰か……
けれど、廊下には誰もいなかった。
何で誰もいないの?このままじゃ本当に……
立つことすらできず、その場に体が崩れ落ちた。
廊下を這うようにして進んでいくも、誰の姿もなかった。
意識がだんだんと遠のく。
動けない……
体がいうこときかない。
死ぬんだ。
もう私はここで死ぬんだ……
私の意識はその場で途切れた。