僕はキミの心臓になりたい



夢を見ていた。


真っ暗闇の中、私は一人で立っている。


周りは闇が広がるだけで何も見えず

不安になった時、目の前に人が立っていた。



羽賀くん……



そして、その隣には夏美ちゃん。

夏美ちゃんはいつもの優しい笑顔で私を見ていた。


よかった……夏美ちゃん、やっぱりあれは夢だったんだね。


タカさん、お母さん、吉沢先生。


いつの間か、たくさんの人が目の前に立っていた。


私が安心してみんなの方へ行こうとした時

みんな消え始めた。



待って……置いてかないで。



手を伸ばしても、誰にも届かない。


私は悟った。


ああ、これが死ぬってことなんだな……


ひとりぼっちで私は死んでいくんだ。



嫌だ。


嫌だよ。



まだ死にたくない……



まだやり残してることたくさんあるんだよ?



お願い、羽賀くん助けて。



彼に向かって必死に手を伸ばした時、



羽賀くんが手を掴んでくれた。



羽賀くんには届いたの……?





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