僕はキミの心臓になりたい
夏美ちゃんと二人っきりになると
重く気まづい雰囲気が流れる。
私は薬を盗まれた怒りと恐怖で
夏美ちゃんのことが見れず下を向いた。
すると、先に沈黙を破ったのは夏美ちゃんだった。
「美羽……本当にごめんなさい」
夏美ちゃんは深々と私に頭を下げた。
布団の中で、両手がプルプルと震える。
どんなに謝られても、許す気はない。
もし、発見が遅れたら私は死んでいたかもしれないんだよ?
私は夏美ちゃんに殺されかけた。
この前私が発作で苦しんでた時
夏美ちゃんは優しく私の背中をさすってくれたよね。
でも、今日私はその優しかった手に殺されかけたんだ。
悲しさと怒りで頭の中はぐちゃぐちゃだ。
けど、ずっと頭を下げて
謝り続ける姿を見ていて徐々に頭の熱が下がっていく。
「もう謝らないで顔上げて……」
許す気はないけど、どうしても夏美ちゃんに聞きたい事があった。