僕はキミの心臓になりたい
「私だって頑張ってた。
少しでも瑞稀に好かれたくて
瑞稀が好きな音楽聴いて瑞稀と
話せるような話題作って
距離縮めたくて名前で呼んでみたりして……
何とか瑞稀を振り向かせたくていっぱい努力した。
けど、いくら頑張っても瑞稀が
特別に想う女の子は私にならなかった。
瑞稀って好きな人できたらあきれるほど
一途で結構手強いもん。
なんて……こんな言い方したら被害者顔だよね」
夏美ちゃんは最後まで強気な口調で話してたけど、
私から見たら、その姿は泣いているように見えた。
声も震えて、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
私よりも、ずっとずっと羽賀くんの事が好きだったんだよね。
今まで気づけなかった。
私が羽賀くんといることで
傷ついている人がいることに。
私は他の人の幸せまで奪って、それを独占してたんだ……