僕はキミの心臓になりたい
しばらくすると、病室のドアが開いて羽賀くんが戻ってきた。
放心状態の私を見て羽賀くんが不思議そうに聞いた。
「美羽どうした?大丈夫か⁇」
「なっ何でもない。大丈夫」
夏美ちゃんのことは、羽賀くんには黙っておくことにした。
「そっか。じゃあ俺もそろそろ帰るな!また明日来るから」
「羽賀くん、あのね」
「ん?」
「もう、ここには来なくていいよ」
羽賀くんは帰り支度していた手を止めて私を見た。
「え、何で?」
「あと……もう2人で会ったりするのやめよう」
静まり返った病室は、時計の針の音だけが響いた。
2人の間に重い沈黙が流れる。