僕はキミの心臓になりたい



しばらくすると、病室のドアが開いて羽賀くんが戻ってきた。


放心状態の私を見て羽賀くんが不思議そうに聞いた。


「美羽どうした?大丈夫か⁇」


「なっ何でもない。大丈夫」


夏美ちゃんのことは、羽賀くんには黙っておくことにした。


「そっか。じゃあ俺もそろそろ帰るな!また明日来るから」


「羽賀くん、あのね」


「ん?」


「もう、ここには来なくていいよ」


羽賀くんは帰り支度していた手を止めて私を見た。


「え、何で?」


「あと……もう2人で会ったりするのやめよう」



静まり返った病室は、時計の針の音だけが響いた。


2人の間に重い沈黙が流れる。



< 136 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop