僕はキミの心臓になりたい
「勝手に死ぬ前提にしてるんだったら
もう側にいる必要ねーよな」
羽賀くんの聞いたことない冷たい声が、胸を突き刺す。
「じゃあな」
羽賀くんは背を向けて病室を出て行った。
扉が閉まった瞬間、我慢していた涙が溢れ出す。
ごめんね……
ごめんなさい羽賀くん……
消えていく足音を聞きながら、一人で声を押し殺して泣いた。
今すぐ病室を飛び出して、彼を追いかけたいよ。
やっぱり嘘って言って、彼を引き止めたい。
本当はさよならなんてしたくなかったよ。
離れたくなかったよ。
ずっと一緒にいたかった。
けど……けどね……
これからきっとお互い一緒にいることが辛くなる。
このまま一緒にいても、辛い思いするのは羽賀くんなんだよ……
そんな辛い思いさせたくないから、私の事嫌いになって全部忘れてね。
その代わり、私は私たちの記録を全部おぼえているから。
その時は私一人で涙します。
ありがとう。羽賀くん
さようなら