僕はキミの心臓になりたい
「ここの病院に入院してたんだ」
「入院してること知ってたの?」
「クラスで担任が言ってたから」
なるほど、そういうことか。
だから私の名前わかったんだ。
私は羽賀くんの姿を、じっと見つめた。
白いワイシャツの上にブレザーを重ね着し
カバンを肩からさげた制服の着こなし。
私と違い、華々しく高校デビューした姿だ。
「羽賀くん、どうして病院にいるの?」
さっきから、ずっと気になっていることを
聞くと彼は笑いながら、
「母親の付き添い。
最近までここに入院してたから
その検診のためにちょっとな」
ふーんと返事をした後
羽賀くんはそれっきり何も言ってこなかった。
羽賀くん、私が何の病気なのか聞かないのかな?