僕はキミの心臓になりたい
羽賀くんと過ごしてた時は、1日経つのが
早かったのに今は1日がとてつもなく長い。
1人で部屋に閉じこもってるのとでは、
こんなにも時間のスピードが違うのか。
机の上に置きっ放しにしてあった羽賀くんの手帳を見返した。
ここ数日の、羽賀くんと過ごした日々の記録……
どうして私の手元に残っちゃったんだろう。
忘れたいのに……
こんな物があったら、見るたび羽賀くんの事思い出すのに。
いっそのこと、破って捨ててしまいたい。
手帳を握りしめた手に力が入り、痙攣したように震えた。
……そんな事できるわけないよ。
私は手帳を抱きしめた。
私と羽賀くんが一緒に過ごした記録を捨てたくない。
もう二度とやって来ない夏を忘れたくないから。