僕はキミの心臓になりたい
このままの関係で、会えなくなるのは嫌だ。
まだ夏美ちゃんに話してないことがあるから、ちゃんと話したい。
無我夢中で夏美ちゃんを探していると
「夏美ちゃん……」
中庭で一人お弁当を食べていた夏美ちゃんを見つけた。
夏美ちゃんは私に気づいても、目を逸らしてお弁当を食べ続けた。
一歩一歩夏美ちゃんに近づいていく。
「夏美ちゃん、九州に引っ越しちゃうんだね……」
すると、夏美ちゃんは箸を止めて私の方を見た。
「もう一生美羽ちゃんとは話せないと思ってた。どうして来てくれたの?」
「まだ夏美ちゃんに言ってなかった事があるから」
そう言うと、夏美ちゃん隣に腰をおろした。
「あのね、ずっと言えなかったんだけど……」
「何?」
「私も羽賀くんのこと好きなんだ……」
正直な気持ちを打ち明けると
夏美ちゃんは前から知っていたかのように
反応を見せなかった。
「黙っててごめんね。
自分の気持ちを隠して、夏美ちゃんの応援してたんだ。
最低な事してた。
それをずっと謝りたくて」
話してる途中で、夏美ちゃんは首を横に振った。