僕はキミの心臓になりたい




ずっと空席になっている彼の席を見つめた。


早く羽賀くんに会いたい……


今までは羽賀くんと会うのが

気まづいと思ってたけど

今は彼に会いたくてたまらなくなっていた。




ねえ、羽賀くん。



あれから、私は頑張ってきたよ。



がむしゃらに学校行って勉強に力いれてきた。


夏美ちゃんとも、ちゃんと向き合えたよ。


怖がってたことに一歩踏み出せたし、きっと前の私より強くなれたよ。



それからね、ちゃんとした友達も何人かできた。



みんな、こんな私にすごく優しくしてくれて楽しく過ごすことができてる。



でもね、こんなに優しい友達がいてもやっぱり忘れられないの。



まだ連絡が来ることを期待して、スマホを手放さないでいた。



でも、それだけ羽賀くんと過ごした日々が濃かったの。



羽賀くんの存在が何より大きかったことが、今更になって気づいた。



病院で初めて出会った日からのことを思い出す。



もう、あの頃のように笑いあって

無邪気に駆け回ってた時は二度と戻ってこないんだよね。



今はまだ無理かもしれないけど

その内また今までみたいに話せるようになるのかな?



挨拶くらいはできる関係に戻れるかな……?



頑張って、少しずつ近づいてみせるね。



前みたいな関係に戻れない事はわかってる。



でも、あなたの事忘れるまでは好きでいてもいいよね。




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