僕はキミの心臓になりたい
今まで会ってきた人だったら
私が入院してるとわかった瞬間
病気についていろいろ聞かれてた。
ただの興味本位で、いちいち聞かれては
うんざりしてたから助かったけど。
けど羽賀くんは、代わりに私に心配そうな
目をして聞いてきた。
「体調大丈夫なの?」
「うん。てゆうか、毎回親が大袈裟に考えて
入院騒ぎになっちゃうだけだから、全然平気なの」
素直に答えると、彼は安堵の表情を浮かべた。
「ならよかった。
入学式の次の日から入院してるって聞いたから、びっくりしたよ」
「でもお陰で、クラスに乗り遅れちゃったな。授業もついていけなさそうだし」
今一番不安になっていることを話した。
彼はそうか……と呟いた後
「それなら俺が相楽が退院するまで、勉強教えに来ようか?」
「え!?」
いきなりの展開に、私は大きい声を上げてしまった。
他の患者さん達が、いっせいにこちらを振り返る。