僕はキミの心臓になりたい
ドアを開けると、そこには何も変わっていない羽賀くんの姿。
私がずっと会いたかった人。
これは夢なのかな……
「急に来てごめん。びっくりした?」
「びっくりするよ……どうしたの?」
「美羽にこれ渡すために来た」
そう言って、羽賀くんが差し出したのはチケットのような紙切れ。
「航空券……?」
それは今日日付になっている羽田から釧路行きの航空券だった。
「よしっ行くぞ!」
「行くって、まさか……」
「俺と美羽の退院祝いだよ!飛行機出ちゃうから早く準備してきて」
「……はい⁉︎」
ここからの流れは、結局いつも羽賀くんの思うままだ。
私がいくら説得しても、結局彼に押し切られてしまう。
私はあれよあれよと言う間に釧路行きの飛行機に乗っていた。