僕はキミの心臓になりたい
数時間後、釧路空港に無事到着した。
10月といえど、釧路は冬並みの寒さだ。
「寒い〜」
厚着はしてきたけど、手袋とマフラーも必要だったなと後悔した。
私たちは空港を出て
羽賀くんが予約してくれてたタクシーに乗った。
このタクシーで1日釧路を巡るプランになっているようだ。
「まずどこ行くの?」
「昼メシ食いたい!美羽腹減ってない?」
そういえば、朝から何も食べてないからさっきからグーグーいってる。
「空いてる!」
「運転手さーん、どこかおすすめのご飯屋さんありますか?」
「釧路に来たら勝手丼を食べるといいよ」
「勝手丼?」
運転手さんに聞いたら勝手丼とは、
市場に並ぶ新鮮な魚介類を少しずつ買って
どんぶりご飯の上に乗せ
自分好みの丼を作って食べるというもの
だと教えてくれた。
それを聞いて私も羽賀くんも食べたくなり
運転手さんにそこに行ってもらうことにした。