僕はキミの心臓になりたい
しばらくした時、
「……美羽。起きてる?」
寝てると思っていた羽賀くんが、目を開けていた。
「起きてるよ」
天井を見つめたまま答えた。
羽賀くんの吐息がすぐ横で感じる。
「美羽は……今まで大切な人を失った経験ってある?」
私は羽賀くんの問いに不思議に思いながらも、首を捻った。
「うーん……私はまだないかな。羽賀くんはあるの?」
羽賀くんはゆっくりとうなづいた。
気になった私は羽賀くんの方を向いた。
「誰だったの……?」
「……俺の親父」