僕はキミの心臓になりたい
「ありがとう、羽賀くん……
なんだか羽賀くんにはいつも救われちゃうね」
「……」
返事が返ってこなくて隣を見ると
羽賀くんは手を握り合ったまま寝息を立てていた。
寝ている彼の頬に触れる。
この寝顔も、彼のあたたかい笑顔も
この先もずっとずっと見ていたい。
ああ、そっか。
この気持ちがきっと
愛しいというんだ。
「大好きだよ。瑞稀……」
彼の手にそっとキスをし、あたたかい手に触れながら目を閉じた。
キミと病院で出会った日から、私の日常はキミによって変えられた。
ううん。違う。
キミと出会う前から私の運命は決まっていたんだ。
16年間留められた想いが、昼間気がついた答えだった。
私はキミと……
キミと出会うために生きてきた。