僕はキミの心臓になりたい




「ありがとう、羽賀くん……

なんだか羽賀くんにはいつも救われちゃうね」


「……」



返事が返ってこなくて隣を見ると

羽賀くんは手を握り合ったまま寝息を立てていた。



寝ている彼の頬に触れる。



この寝顔も、彼のあたたかい笑顔も

この先もずっとずっと見ていたい。



ああ、そっか。


この気持ちがきっと


愛しいというんだ。



「大好きだよ。瑞稀……」



彼の手にそっとキスをし、あたたかい手に触れながら目を閉じた。




キミと病院で出会った日から、私の日常はキミによって変えられた。



ううん。違う。


キミと出会う前から私の運命は決まっていたんだ。



16年間留められた想いが、昼間気がついた答えだった。



私はキミと……


キミと出会うために生きてきた。










< 166 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop