僕はキミの心臓になりたい
夢のような時間はあっという間だった。
帰りの飛行機では、2人で他愛もない話を
しながら旅行の余韻に浸った。
それから羽田空港から地元の駅まで一緒に帰り、駅前で瑞稀と別れた。
またすぐ学校で会えるのだからと
別れの言葉もそこそこに手を振りあって別れた。
瑞稀の変わらない笑顔からして
何も予兆めいたことはなかったはずだ。
家に帰ると、父と母はまだ仕事から帰っていなかった。
旅行の荷物を片付けて
母から「洗濯物取り込んでおいて」と
いった電話があったので
ベランダで取り込んでいると、再び電話が鳴った。