僕はキミの心臓になりたい



ところがその翌日。



羽賀くんは学校帰り、私の病室に現れた。



「相楽のクラスメイトだって言ったら

看護婦さんが病室の場所教えてくれた」



と、彼はまるでいたずらっ子の子供がするような表情で言った。


信じられない状況に唖然とする。



「本当に……いいの?」


「だって美羽と約束したじゃん」


この時から、羽賀くんは私を名前で呼ぶようになった。



仲良くなりたい人には

名前で呼んで距離を縮めるのが彼の策らしい。


変わった人だなぁとつくづく思う。



それから平日の午後は

毎日のようにお見舞いに来てくれては

勉強を教えてくれている。



彼の行動の意味がわからなかったが

これが彼の優しさなのだろうと

素直に受け入れることにした。




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