僕はキミの心臓になりたい



私たちさっきまで一緒にいたよね。


笑いながら旅行の話とかしてたじゃん。


きっと何かの間違いだよ。


それなのに意識とは裏腹に、足は勝手に動く。


家を飛び出し、大通りに出てタクシーを拾い

病院の名前を告げると勢いよく走り出した。


手足がガタガタと震え、抑えようとしても全身に力が入らない。


悪い夢であってほしい。


それか、何かの間違いであってほしい。


そう思わなければ、自分が壊れてしまいそうになる。


とにかく、早く病院に行かなきゃ。


そしたら間違いってわかるよ。


だって、瑞稀はきっと元気でピンピンしてるはずだから。


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