僕はキミの心臓になりたい
瑞稀のお母さんから教えられた病院に着き
タクシーを飛び降りた。
ここは、私も通ってる病院だ。
まさか、瑞稀もここに入院してたなんて……
受付のカウンターで瑞稀の病室を訪ねると
看護婦がスラスラと答えるのを見て
私の心拍数が上がった。
もう、本当に瑞稀がここにいることを告げている。
教えられた場所は、ICUだった。
病室に近づくたびに胸が苦しくなる。
怖い……行きたくない……
何で瑞稀がここにいるのかわからない。
病室の前にたどり着くと
そこには髪を一つに束ねた女性がうつむいて立っていた。
もしかして、瑞稀のお母さん……?
近づいていくと、女性が顔を上げて私に気づいた。
「羽賀くんのお母さんですか?あの……」
その瞬間、左頬に鋭い衝撃が走った。
弾き飛ばされたようなその衝撃は、じわじわと痛みを起こす。