僕はキミの心臓になりたい
その時、そばにあった心電図が
赤いランプを点滅させて激しく鳴り出した。
それを合図にしたかのように
瑞稀の周りに医師や看護婦が集まり
激しく動き回る。
嫌な音が鳴り響く。
非常事態ってことはわかっても、私は一歩も動けなかった。
「瑞稀!!」
瑞稀のお母さんがガラス越しに瑞稀の名前を呼び続ける。
どれだけ騒がしくなっても、瑞稀は目を覚まさなかった。
嫌だよ、瑞稀……
だって約束したよね?
私のこと守ってくれるんでしょ……?
なら、早く起きてよ。
瑞稀……
「瑞稀ぃっ!!」
彼に向かって叫んだとたん、私の意識はそこで途切れた。
それからの記憶はまったく覚えてない。