僕はキミの心臓になりたい
眩しい太陽の光で目がさめると、そこは病室だった。
「美羽、気がついた……?」
心配そうに顔を覗き込んだお母さんを見ながら、呆然とする。
「お母さんどうして……?」
「病院で倒れたって聞いて」
そうだ、瑞稀……
そうだよね。全部夢だったんだ。
「お母さん、瑞稀は……」
お母さんは私の言葉を遮り、険しい表情で言った。
「瑞稀くん、昨日亡くなったって……」
目の前に真っ暗な闇が広がった。
そんな……
嘘だよね?
だって、昨日まで普通に話してたじゃん。
あの優しい笑顔だって見せてくれてたじゃん。
私と別れる時、ずっと手を振ってくれてた姿もはっきり思い出せるよ。
あの夜、握ってくれた手の温もりだっておぼえてるよ。
それなのに、もう瑞稀はいないなんて……
「嫌だあああっ」
泣き叫ぶ私をお母さんは抱きしめた。
「嘘……嘘だよ!瑞稀……」
「美羽……」
私はお母さんに抱きしめられながら泣き続けた。