僕はキミの心臓になりたい
翌日。
「どういうこと美羽?ちゃんと説明しなさい」
ベッドの横の椅子に座りながら
私に詰め寄るお母さんに対し、私は何も答えず俯いた。
私は、お母さんに手術はしないことを告げたのだった。
「このままだと病状が悪化していくだけで
もう美羽の心臓はもたなくなるのよ?
だったら、吉沢先生を信じて手術うけましょうよ」
お母さんの説得にも、私は再度首を横に振った。
「どうして美羽……手術受けてよ。お母さんはあなたを失いたくない。美羽が生きてるだけでいい……」
涙を流しながら言うお母さんを見て、胸が痛くなった。
お母さんの気持ちはすごくわかるよ。
でも、でもね……
もう、瑞稀のいない世界でたった一人で生きてけないよ。
優しかった瑞稀……
人と関わりあうことが怖くて、ふさぎ込んでいた私に手を差し伸べてくれたね。
誰かと笑い合うことの幸せ
誰かを愛するということ
全て瑞稀が教えてくれたんだよ。
それなのに、瑞稀を失った私はこの先どう生きてけばいいの?
「ダメだよ私……瑞稀がいたから頑張れたのに……たった一人では立ち上がれないよ……」
絞り出す声で呟いた時、病室の入口が開いた。
入ってきたのは
瑞稀のお母さん。