僕はキミの心臓になりたい
瑞稀の心臓を私に……?
どうしてそんなこと……
持っていたドナーカードの上に、涙がポトリと落ちた。
「もう一つ、あなたに見てほしいものがあるの」
そう言って瑞稀のお母さんは
布団の上に茶色い手帳のような物を置いた。
「これは……?」
「これ、瑞稀が闘病中ずっと書いていた手帳よ。あなたのために、瑞稀が残したものなの」
瑞稀が……書いた?
「自分が死んだら、美羽ちゃんに
渡してほしいって言われてたの。
その子は強がりだけど、寂しがり屋な子
だから自分がいなくなったら
すごく落ち込むかもしれない……
けど、ここに自分の気持ちが
全部書いてあるから渡してあげてって……
はっきりそう言ってたわ」
お母さんは目に涙を浮かべながらそう話した。
瑞稀との思い出が、走馬灯のように流れた。