僕はキミの心臓になりたい




『20**/10/1


バカだな俺。美羽とまだ仲直りしてないのに、このまま死ねるわけねーじゃん。弱気になるのもうやめる』



『20**/10/4


超極秘計画進行中!美羽と旅行行くぞ!!』



『20**/10/7


今、帰りの飛行機の中。美羽は隣で寝てる。本当に楽しくて幸せな旅行だった。もっと美羽といろんなとこ行きたかった。もっと一緒に生きたかった。美羽は知らないかもしれないけど、本当は昨夜起きてたんだ。
美羽が俺のこと大好きって言ってくれたこと
俺の手にキスしてくれたこと
全部知ってる。
あの時、本当に嬉しかった。好きな人が自分のこと好きって言ってくれるこれ以上の幸せなんかない。あの時初めて自分が自分でよかったって思えた。俺の生き方は間違ってなかったって。
そう思うと、やっぱり俺は美羽と出会うために生きてきたのかもな』





日記はここで終わっていた。



後半にかけて、字が震えていた。


瑞稀……苦しい闘病の中で一生懸命生きてたんだ。


瑞稀は私にたくさん残してくれたものがあるのに、私は瑞稀に何もしてあげられなかった。


たくさんお礼を言わなきゃいけないのは私なのに……


けど、あの夜のことは……


瑞稀に打ち明けた私の想いは届いたんだ。


瑞稀にちゃんと届いてたんだ。


届いてたんだ……


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