僕はキミの心臓になりたい
その子と出会ったのは、中学2年の時。
俺が転校してきた初日に、
その子は教室の場所が分からなかった俺を教室まで連れてってくれたんだ。
転校してきて初めて話した子がその子で
彼女の優しさがすごく嬉しかった。
その日以来、その子から目が離せなくなって、
声をかける瞬間をずっと探してた。
けど、その時自分は人と付き合うのが苦手だったこともあって
ただ眺めるだけで終わってた。
それに、その子も体が弱くて入院が多かったから、
なかなか学校に来れなくて近づくことができなかったんだ。
俺は中学3年になってすぐ倒れて
精密検査したけどもすでに手術では
どうにもならない状態で、薬で誤魔化しながら生きてました。
そのせいで入退院の繰り返し。
学校に行けないせいでクラスの奴らにも会えなかったし、
激しい運動も止められてたから、友達とも遊べない。
中学の思い出で、記憶に残ったものはほとんどなかったな。
けど、1つだけいいことがあった。
それは、美羽と同じ高校に受かったこと。
これは神様がくれたラストチャンスだと、美羽に一直線になった。