僕はキミの心臓になりたい
涙でヨレヨレになった手紙を、きつく握りしめた。
自分の心臓の提供をしてまでも、私が生きることを願ってたんだ。
生きてほしいー……
この手紙には瑞稀からの最後のメッセージが込められてた。
瑞稀のお母さんは私の手を握った。
「瑞稀の最後の願いは私もそれを願ってた。けど、もう瑞稀の心臓は……」
堪え切れなくなったお母さんの目から涙が溢れ出す。
「ごめんなさいね美羽ちゃん。本当にごめんなさい……」
泣き崩れてしまったお母さんの手を握り締めながら、首を横に強く振った。
瑞稀……
貴方は私の生きる全てだよ。
もうずっとずっと前から、貴方は私の心臓なんだよ……