僕はキミの心臓になりたい
下駄箱で上履きに履き替え、校長室に行って校長にまず挨拶した。
それから、担任の先生が少し遅れるとのことだったので
先に教室に行ってるように指示された。
校長から教室の場所を口頭で教えられたものの
2階にあがったところで迷ってしまった。
廊下でおしゃべりしている生徒が何人かいたが、
俺のことをジロジロ見るだけで声かけてはくれない。
かと言って、自分から聞きにいく気はなかった。
どうしようかと悩んでいると、
「あの……転校生ですか?」
背後から声をかけられ、振り向くと1人の女生徒が立っていた。
綺麗な黒髪にまず目がいった。
「あ……うん。けど、教室の場所がわかんなくて」
「何組ですか?」
「2年3組」
「3組はこの廊下の一番奥だよ。一緒に行こう」
そう言って彼女は、俺の前を歩いていく。