僕はキミの心臓になりたい




それからというもの、俺は教室を出るたびに彼女を探した。



けど、自分から声をかけにいくことはどうしてもできない。


教室や廊下で見かけて、ただ眺めるだけだった。



たまに廊下ですれ違うと

彼女から頭を下げて挨拶してくれたり

手を振ったりしてくれた。



その度に、彼女に対する気持ちが高まっていく。



彼女ともっと話してみたい。



そんな気持ちが芽生え、まずは自分から変わろうと決意した。



久しぶりに鏡の前に立ち、自分の身なりを確かめた。


しばらく見ないうちに、モッサリオタク男になっていることに絶句した。



伸びた髪を切り、メガネを外してコンタクトに変えた。



明るい印象になったことで

クラスで声をかけてくれる人が増えていった。



そのおかげで自分にも自信がつき

自分からも声をかけたり動いたりすることができた。



< 205 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop