僕はキミの心臓になりたい
それからというもの、俺は教室を出るたびに彼女を探した。
けど、自分から声をかけにいくことはどうしてもできない。
教室や廊下で見かけて、ただ眺めるだけだった。
たまに廊下ですれ違うと
彼女から頭を下げて挨拶してくれたり
手を振ったりしてくれた。
その度に、彼女に対する気持ちが高まっていく。
彼女ともっと話してみたい。
そんな気持ちが芽生え、まずは自分から変わろうと決意した。
久しぶりに鏡の前に立ち、自分の身なりを確かめた。
しばらく見ないうちに、モッサリオタク男になっていることに絶句した。
伸びた髪を切り、メガネを外してコンタクトに変えた。
明るい印象になったことで
クラスで声をかけてくれる人が増えていった。
そのおかげで自分にも自信がつき
自分からも声をかけたり動いたりすることができた。