僕はキミの心臓になりたい
俺は結局彼女に対して何もできなかった。
自分の病気が悪化し、入院せざるを得なくなったからだ。
毎日点滴して薬の投与するも、いっこうによくならなかった。
このままでは、俺は彼女に何もして
あげられないまま死んでしまう。
後悔して、大切な人を失うのはもうしたくない。
そして、夏の訪れを告げた初夏のある日。
狭い診察部屋で、担当医の桜田医師から告げられた。
「このデータを見てみても
瑞稀君の白血球の数がものすごい
スピードで減っています。
今回の入院中に、毎日投与した薬も
あまり効果は出ませんでした。
我々も最善の手を尽くしてきましたが
今の医療技術ではこれが限界です」
「瑞稀君は……おそらく来年の冬まで生きるのは難しいと思われます」