僕はキミの心臓になりたい
今日は検査の日だったこともあって来たけど、そんなこと今はどうでもいい。
病院に着いて、俺はすかさず彼女の姿を探した。
今日こそは、必ず会ってみせる。
そして、キミと一緒に生きていきたい。
ロビーの中を探していたその時
覚えのある香りがふわっと目の前を通り過ぎた。
この香りを俺は知っている。
初めて出会った時と同じだ。
綺麗な黒髪も、あの時と一緒だね。
やっと……やっとたどり着いた。
「相楽……?」
彼女の背後に向かって、一歩踏み出した。