僕はキミの心臓になりたい
スマホを確認してみるが
誰からのメッセージもなかった。
やっぱり、朝から迎えに来るわけないよね。
入学式で遅刻してきたんだから、朝が弱そうだし。
少しだけ迎えに来てくれることを期待してたが
時間もギリギリだったので
通学カバンを持って部屋を出た。
その時。
ピンポーン……
家のインターホンが鳴り、お母さんが玄関を開けて応対した。
「朝早くすみません。
相楽美羽さんのクラスメイトの羽賀瑞稀といいますが……」
玄関から聞こえてきた声に、口があんぐりと開いた。
嘘でしょ……
本当に来た。
この声、間違いなく羽賀くんだもん。
するとお母さんが、パタパタと階段まで駆けてきた。
「美羽!同じクラスの男の子が
あんたのこと迎えに来てくれたわよ!」
お母さんの声が少し興奮気味になっていた。