僕はキミの心臓になりたい
救ってくれた笑顔
それからは、普通に授業が始まった。
授業の内容は、入院中に羽賀くんから
教えてもらっていたから
そこまで苦労しなかった。
それについては心の中で
彼に感謝をした。
休み時間になると、私は席で
遅れていた分の授業の復習をしていた。
羽賀くんは、自席で男友達に囲まれながら
テレビの話題で盛り上がっていた。
羽賀くんの席は、私の列の前方にあり
顔を上げると彼の姿が見えた。
授業中以外、ずっと誰かしらと一緒にいる
彼を見て、まるで別世界の人のように思えた。
あんなに大勢の友達がいて忙しいはずなのに、
どうして私のお見舞いに来ていたのかが不思議だ。
そう思いながら彼を見ていると
黒板の前に立っていた3人の女子と目が合った。
化粧が濃く、見るからに派手な
近づきにくそうな3人組。
すると彼女たちは、私を見ながら
ヒソヒソと耳打ちし合いだし
その感じからして良くない内容なのは確かだった。
私は嫌な感じがして、ノートに目線を戻した。
もしかして、今朝のこと見られちゃったのかな……
彼女たちの話の内容はわからないけど
羽賀くんに関係してるものだということは
間違いない。