僕はキミの心臓になりたい
私が歩いて行こうとすると
羽賀くんは私の横に並んで歩きだした。
「残念。今日は俺も歩きなんだ」
「えっ自転車どうしたの?」
「昨日クラスの奴らうるさかったじゃん。だからもうやめた」
「そっか。でも私はもう一人で行けるから大丈夫だよ。
羽賀くんも毎日大変でしょ?」
「大変だとか面倒くさいって思うことを
わざわざしようとは思わないよ」
「でも、クラスメイトから変な誤解されても困るでしょ」
そう言うと羽賀くんは
何か思い出したように私の方を見た。
「そーいえば昨日、美羽クラスメイトに嘘ついただろ?
一緒に行った理由をたまたま会っただけって」
「だって、それは……」
「ひでーな〜なんか、俺のしたかったことを全部無かったことにされた感じじゃん」
羽賀くんは私の言葉を遮り
天を仰ぎながら言った。